余った産品買います

紀伊民報社 地域 2008-10-25

障害者らバザーで販売

田辺市木守と同市平瀬で福祉施設を運営する社会福祉法人大塔あすなろ会は、地域の高齢者が栽培した野菜や米を買い取り、バザーなどに出品している。余った産品を買い取ることで高齢者の収入増につながっているほか、安心・安全な産品は固定客が付くほど好評。施設に入所している障害者との交流も深まり、高齢者らの生きがいになっている。
 田辺市の奥地にある木守や平瀬では、自家用に野菜作りや稲作をする人が高齢化し、余った農作物をあげる地区内の家族や若い人も過疎化で少なくなっている。田辺市木守の「あすなろ木守の郷」内にある「ささゆり作業所」が3年前「余った産品を生かして地域を元気にしたい」と、木守で生産者から産品の買い取りを始めた。
 ジャガイモ、サツマイモ、ヤマイモなどイモ類、タマネギ、シイタケ、米などを、生産者から売値の8割で買い取っている。市内外で開かれている福祉作業所のバザーなど、各種催しに参加して販売したり、入所者の保護者らが定期的に買い取ったりしている。
 入所者の保護者ら施設関係者が月1回、大阪で開くバザーにも毎回出品しており、きれいな水や空気の下で作った安全な農産物が都市部の消費者にも受けている。食の安心・安全意識が高まる中、「独特の香りや味がする」「ここの野菜でないと」などと言い、予約する固定客もいるという。
 木守での取り組みが好評だったため、昨年からは平瀬にある施設「あすなろ平瀬の郷」周辺でも同様の取り組みを始めた。現在、木守の施設で15戸、平瀬の施設で14戸の地元生産者から野菜と米を仕入れている。2007年10月から08年9月末までの1年間で、生産者からの仕入額は118万円に上った。
 入所者が高齢者の畑で野菜を一緒に収穫したり、作業所まで産品を運んだりして地域との交流も深まっている。
 あすなろ木守の郷の長野史朗施設長は「高齢でもう農業をやめたいと言っていた人が、再びやりがいを感じて農作物を出してくれている。作付面積を増やしてくれた人もいて自然発生的に地域と入所者との交流も深まっている」と目を細める。
 余ったタマネギやサツマイモ、米などを出品している田辺市木守の農業、川井誠三さん(79)は「直売所や市場に余った野菜を持って行くには遠く、ガソリン代もかかるので近場で買い取ってくれるのは生活の面で非常に助かる。おいしいと言ってくれるので、作りがいもある」と笑顔を見せた。

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