つくば市榎戸在住の井桁豊さん(73)は、全国でも数少ない看板絵師―。来月開幕する第23回「国民文化祭・いばらき2008」で、土浦市が催す映像フェスティバル「土浦映画まつり」を盛り上げようと、約3カ月かけて上映する映画などの看板6枚を仕上げた。
看板は写真や映画のパンフレットを参考にして、布やベニヤ板をキャンバスに水性塗料で描く。縦1・8メートル、横10メートルの今回一番の大作は、同市有明町のJR常磐線土浦駅東口近くに飾られている。
井桁さんは1935年3月、常総市(旧水海道)に生まれた。映画が好きで、無料で映画を見れることに引かれ、15歳の時に同市内の映画館に看板絵師として就職。講師もマニュアルもない中、手探りで作業に取り組んだ。
腕をさらに磨くため20歳で上京。東京都赤羽にある映画館で働く一方、看板業者を渡り歩いた。カラーテレビなどの普及で映画離れが進み、展示会に設置する説明パネルなどの作成も行った。
45歳で故郷に戻り、土浦市内にあるホームセンターの販促広告や看板のイラストなどを手掛けた。その間も映画看板の制作を続け、これまでに1000枚以上の作品を描き上げた。
15年前に映画愛好者による市民団体「シネ・フォーラムつちうら」に所属。同団体が開催する自主上映会に併せて看板を制作している。また、常陽新聞で毎週日曜日に掲載している「シネマにくびったけ」のイラストも手掛けている。
井桁さんは「とにかく映画が好きだったからこそ続けられた」と映画の魅力を語った。