県内の戦争遺跡を調査、冊子に

常陽新聞新社 未分類 2008年10月16日

筑波大大学院生らが出版

筑波大大学院修士課程教育研究科の院生らがこのほど、県内の戦争遺跡を調査、その成果をまとめ、冊子「茨城県の戦争遺跡」として出版した。アジア太平洋戦争にかかわった構造物、遺構、跡地を戦争遺跡と定義してまとめた。多くの地図や写真を配し、海軍、陸軍をはじめとする戦争遺跡の歴史と現状を、現地調査や聞き取りといったフィールドワークから記している。

出版に携わったのは、編者である同大大学院、伊藤純郎教授のゼミに所属する修士課程2年15人。伊藤教授は、県内に数多く存在する戦争遺跡を小中学校、高校など教育の場で活用したいと考え、4年ほど前から準備を開始。準備期間を経て昨年4月から、伊藤ゼミの院生が本格的に調査と執筆活動を始めた。

冊子はA5判サイズで64ページ。第1章「茨城県の戦争遺跡概観」、2章「海軍航空基地」、3章「陸軍飛行場・民間飛行場」、4章「満蒙開拓青少年義勇軍」、5章「その他の戦争遺跡」、6章「空襲年表」の6章構成。

伊藤教授によると掲載されている写真は、数点を除きすべて院生が調査時に撮影したもの。ほとんどの戦争遺跡は跡形もなく、当時と現在の地図を重ね合わせて場所を把握する必要があるなど、調査には苦労が多かったという。

社会科教育コース2年で、第2章の編集委員を務めた田代暁子さん(24)は、出版に当たり「現地を訪れて話を聞き、実際に戦争の傷跡を見て、本当に戦争の現場だったことをイメージできた。この本を手に取って、わたしたちと同じように戦争遺跡を回ってもらえたら」。第3章の編集委員、小田真代さん(24)は「わたしが担当した陸軍は特に跡が残っていない所が多く、戦争の舞台だったことを知らない人が多かった。教育の場で教師も含め、この本を使い戦争について勉強してほしい」と話した。2人は社会科の教員を目指しているという。

伊藤教授は「県内の戦争遺跡というと霞ケ浦(航空隊)が代表的で、ほかはほとんど言及されていない。関東には64の戦争遺跡があるが、その4分の1は茨城県域にある。県内に残る戦争遺跡をすべて掲載したのは、本書が初めてなのでは」と話している。

冊子は平和文化(東京都文京区)発行で定価735円。県内の書店を中心に9日から店頭に並んでいる。

研究室に問い合わせれば、630円で入手できる。問い合わせは伊藤教授の研究室(電話029・853・6542)まで。

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