シロギス資源回復を

荘内日報社 地域 2008-10-14

海釣りフォーラムで考察

「海釣りフォーラム2008」が12日、酒田市総合文化センターで開かれ、講演やパネルディスカッションを通して「浜の貴婦人」とも称されるシロギスの価値について再認識するとともに、資源回復に向けた取り組みなどを考えた。
 年間150トン前後あった庄内浜のシロギス漁獲量は1992年以降、次第に減少。2000年からは20トン程度で推移している。そのため県は昨年3月、11年度までの5カ年で近年の漁獲量(約20トン)の維持を図ることを目標にした「山形県シロギス資源回復計画」を策定。漁業者には全長12センチ以下の小型魚の採捕を禁止する一方、遊漁者に対しても12センチ以下の小型魚の再放流徹底について啓発活動を実施するなどの措置を講じている。
 この日のフォーラムも啓発活動の一環。地元を中心に県外からも釣り人ら20人余りが参加した。はじめに、荘内日報紙上に連載している「魚市場旬だより」の魚類卸・手塚商店の手塚太一社長が「庄内浜の魚に対する庄内人のこだわり」と題して基調講演。「庄内では『かねまね(食べなければいけない)』ものが季節ごとにある」とし、サクラマスや岩ガキ、ハタハタ、寒ダラなどを例に挙げた。
 また、「庄内人は地物が好きで、昔から地産地消を行っていた」「庄内は白身魚文化」とし、キスは天ぷらや刺し身などどのようにして食べてもおいしいが、捕れなくなれば食べる機会が減り、キスに関する食文化も廃れる。過去の遺物にしないよう、キスをどうしたら多くの人々に食べてもらえるようできるか考えたい―と話した。
 続いて県水産試験場の粕谷和寿研究員が「シロギス資源回復のための取り組み」を解説。通常より大きい8号以上の針を使って小型魚が飲み込めないようにすることを薦めるとともに、飲み込んでいた場合は無理に外さずハリスを切って放すと生き延びることが調査で分かっている―とした。
 その後、橋本政之荘内日報社社長をコーディネーターに、手塚さん、キス釣りの全国大会で何度も優勝している酒田市生まれの林一郎さん、県漁協漁政課係長の西村盛さん、庄内浜文化伝道師の本間ゆみ子さんがパネル討議を展開した。
 パネリストは「キス漁をしているのは吹浦や酒田地区の9人ほど」「魚をあまり食べない子供たちも、天ぷらにすると揚がるのを待っていてパクつく」などと紹介。一方で「釣り人も保護活動に積極的に参加しなければ」「『キス祭り』といった催しを開き、食べる機会を広く提供しては」といった声が出た。最後に橋本社長が「シロギスを含めた庄内浜の漁業資源について、共通認識を深めるきっかけになったのでは」とまとめた。

荘内日報社のサイトへ

最新マップ