トヨタ期間工員、凧の絵画4点を寄贈

東愛知新聞社 地域 2008-10-10

 トヨタ自動車田原工場の期間工員で、画家のカズフジヤマ(本名・金山和仁)さん(43)が9日、「田原けんか凧」を題材に制作した絵画4点を地元の凧保存会に寄贈した。作品は「思い出の場所」でもある田原まつり会館に展示される。見知らぬ土地で不安に包まれる中、温かく迎えてくれたメンバーへ「最後の恩返し」とばかりに腕を振るった。
 カズさんは故郷の長岡市の高校卒業後、3年間の会社員生活を経て上京。劇団養成所、劇団員として9年間を過ごした。
 劇団員時代から絵画への造形を深め「思いを形あるものに残せる」と画家に転身。雪深い長岡に育ち太陽の光への思い入れから、フランスのニースを活動の拠点に選んだ。
 田原工場へ着任したのは昨年12月。06年暮れに父親が倒れ帰国、1年間のリハビリ生活をともにして「出稼ぎに」と同社の期間従業員に応募した。
 半年の契約期間を終え再契約、今月13日で契約打ち切りとなった。
 田原凧との出会いは今年1月。休日に立ち寄った田原まつり会館で、凧保存会の鈴木裕さんと凧談義に花を咲かせた。故郷の長岡市近郊でも凧揚げが盛んで、幼い頃から凧には親しみがあった。
 その後、鈴木さんの工房に出入りし、春の田原凧まつり前には凧づくりを手伝うようにもなった。凧保存会から鈴木氏が手がけるNPO団体まで交流の幅も広がった。田原独特の温暖な気候もあり、ニースの記憶がよみがえり自然と絵筆を持つ気力も高まった。
 契約満了が迫った今夏、「絵画で田原に住んだ足跡を」と創作を再開した。東三河で活動する水墨画家やモザイク画家を訪ね、技法を吸収、油彩専門から領域にも挑戦。水彩と墨絵の合作、ちぎり絵、モザイク画の新分野もとり入れた4部作が完成した。
 カズさんは「多くの人と交流でき、作品まで展示してくれる。田原市民の広い心があってこそ。今後は長岡で創作を続けたい」と意気込む。

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