日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の朝日まほろば(新潟県村上市)―温海間の計画段階評価で、対応方針を検討していた国土交通省社会資本整備審議会道路分科会の第2回東北・北陸地方合同小委員会(委員長・丸山久一長岡技術科学大教授)が23日、新潟市の同省北陸地方整備局で開かれた。A、B、Cの3ルート帯案のうち、国道7号とのアクセスに配慮した「Bルート帯案」を採用する対応方針を取りまとめた。また、新潟県内の一部で現道(国道7号)を活用する案については採用せず、「全線高速道路整備案」を採用する方針とした。
計画段階評価の対応方針は今後、本省で最終的に決定されるが、この日の結論が尊重されるとみられており、これで同区間の計画段階評価は実質的に終了。本省の決定後は都市計画決定に向け、幅1キロ程度のルート帯から詳細なルートを絞り込むための測量や、環境影響評価に向けた各準備手続きが進められる見通し。
前回(昨年9月)の小委員会で示された3ルート帯案は、A(延長が最短になるように配慮)、B(国道7号とのアクセスに配慮)、C(笹川流れへのアクセスに配慮)の3つで、本県側の鼠ケ関―温海間は3案とも同じ。
この日の協議では、事務局側が住民や企業などに実施したアンケートやヒアリングの結果などを報告した上、Bルート帯案と全線高速道路整備案を採用する対応方針案を示し、委員がこれを了承した。
Bルート帯案を採用する理由としては▽(前回掲げた5項目の)全ての政策目標の達成が見込まれ、中でも「『いのちをつなぐ道』の機能強化」「日常生活の安全性向上」で特に優れている▽地域が重視する「津波など災害に強く通行止めになりにくい」「交通事故が少なく安全に通行できる」「国道7号への出入りがしやすい」に対し、他の案より優れている▽B案を望む地域の意見が最も多い(意見募集アンケートでA約35%、B約48%、C約15%)―という点が挙げられた。
Bルート帯案は朝日まほろばから大須戸、北中、勝木、鼠ケ関、温海に至る総延長約41キロ。うちトンネルや橋の構造物延長は約20キロ、総事業費は1700―1900億円程度。インターチェンジ(IC)候補地は大須戸、北中、勝木、鼠ケ関の4カ所が挙げられている。
一方、全線高速道路整備案を採用する理由については▽現道活用案では通行止め時に大幅な迂回(うかい)が必要で、通過交通と生活交通が混在し、政策目標達成の観点から劣る▽全線整備案を望む地域の意見が約8割を占める―といった点が挙げられた。
この日取りまとめた対応方針ではその他、中央分離帯の設置や追い越し車線、災害を考慮した幅員の確保、簡易な形式の連結位置(IC)の追加、休憩施設の整備などを別途考慮する、とした。
協議では委員から「住民ヒアリングでは、どのルート帯にするかなど細かいことより、とにかく早く造ってほしい思いを強く感じた」「災害や事故で頻繁に止まる。まだこんな所があったのかと感じた」など、早急な整備を望む住民に共感する声が相次いだ。
終了後、北陸地方整備局の前川秀和局長は「計画段階評価が無事に終わりほっとした。各地域の経済活性化だけでなく、山形、新潟両県の広域的な経済の活性化に一番期待したい」と語った。