庄内地方を舞台にした映画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)の庄内完成披露試写会が21日、酒田市の希望ホールで行われた。試写会に先立ち主演の本木雅弘さん、広末涼子さん、滝田監督、脚本の小山薫堂さんが記者会見、舞台あいさつに臨み、今回の作品に込めた思いや庄内地方の印象などを語った。
チェロ奏者への道をあきらめ山形に帰郷した本木さん演じる小林大悟は、遺体を棺に収める「納棺師」となる。広末さん扮(ふん)する妻の美香に隠しながら庄内の地を駆け回り、次第に納棺師という仕事に誇りを持つようになっていく。身近にいるかけがえのない人々の生と死を通し、すべての人に普遍的な、夫婦の愛、家族への思いなどを描いた。
庄内地方では2007年冬に雪景色の撮影をした後、同年春から滝田監督らスタッフ、本木さん、広末さんらキャストが訪れクランクイン。酒田市の日吉町や船場町、遊佐町の月光川河川敷、庄内町のJR余目駅、鶴岡市の「鶴乃湯」などで計約40日間にわたって撮影が行われた。地元ではNPO法人・酒田ロケーションボックスがエキストラや撮影場所の確保などで協力した。
記者会見、舞台あいさつで、滝田監督は「これだけ美しいシーンを撮ることができたのは初めて。自分として大好きな作品に仕上がった」、山形市の東北芸術工科大学に来春、新設される企画構想学科の学科長に就任する小山さんは「山形と僕を結びつけてくれた、この作品に感謝」とそれぞれ作品への思いを語った。
また、本木さんは「庄内弁の響きに触れていると、だれもが良い人に見えてくる。標準語のよそよそしさと異なり、気持ちが弾んでくる感じ」と話した後、「良い映画だがら、みんな見での」と庄内弁を披露、会場内は笑いで包まれた。
広末さんは「宿泊したホテルから歩いて最上川まで行ったら、気持ちが良かった。私は高知出身だが、同じような田舎の大地が感じ取られ、気持ちがほっとした。壮大な自然が美しい映画と出合えて、うれしい気持ちでいっぱい」と述べた。
引き続き行われた試写会では、市民ら約950人がひと足早く作品を堪能した。映画「おくりびと」は、9月13日から全国一斉に公開される。
写真=舞台あいさつする(左から)小山さん、広末さん、本木さん、滝田監督