1期4年、県政の舵を取った村井仁知事(73)が8月31日、任期を満了し退任した。在任期間は戦後の長野県で最短。田中康夫前知事から県政を引き継ぎ、市町村や県会、県職員との関係を修復。基礎自治体の市町村をサポートする県の役割を強調し、日々出現する課題に対処する「派手さはないが堅実で玄人好み」(県議)な県政運営の手腕を評価する声も多かった。約1000人の県職員に見送られ県庁を後にした。
最後の部局長会議に臨んだ村井知事は、ゴーイング・コンサーン(継続事業体)としての県の立場に再度触れ、「その時点その時点でベストを尽くし努力してほしい」と幹部職員を激励した。
記者会見では、「無事に本日を迎えることができてある意味ほっとしている。思いっきり仕事をさせていただき、望外の成果を残すことができた。思い残すことは何もない」とさばさばとした表情で、時折笑顔を浮かべながら語った。
知事就任後の4年間は、「さまざまな課題の解決にあたって、いわゆる人気取りの施策に走らず、たとえ不人気でも将来の長野県を展望して必要な施策を必要な時期に選択することを心掛けた」と振り返り、森林づくり県民税導入など県民負担が増える施策や、県組織の大幅な見直しも「効果は必ずや出てくると信じている」と話した。
県政を託す阿部守一新知事には 、「選挙中の発言にとらわれることなく、就任後は県政の現実を直視し真に県民のためになる県政を実現していってほしい」と期待。会見の最後は、連合国軍総司令官マッカーサー元帥の演説の台詞を引いて「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」と結んだ。
1日に阿部守一知事と事務を引き継ぐ。