約70年前の日中戦争時の4年間に、満州など戦地の夫と、蒲郡(当時の宝飯郡三谷町)の妻との間で交わされた往復書簡を「戦火のラブレター」と題し、文に綴(つづ)られた意味などを現代語に校正する活動が蒲郡、豊橋の両市民で進められている。出版社社長・水谷真理さん=豊橋市=は7日、多くの協力者を求めようと蒲郡市勤労福祉会館で経過報告会を開く。
往復書簡は同市出身で元大尉の大場栄さん(1914-1992)と妻・峯子さん(1912-1992)との間で婚前の37年から結婚後の41年までの間、約1,200通を交わしたとされる。今年5月、蒲郡市豊岡町に住む遺族の次男・久充さん方で見つかった。
旧仮名遣いと草書体で書かれていることから、水谷さんが久充さんの承諾を得て後世に残すための資料にしようと、先月から蒲郡と豊橋の市民10人で校正する活動を行っている。
栄さんは34年に徴兵され、豊橋第18連隊に配属。幹部候補生として軍事訓練を受けて翌年に満州国に。43年には大尉に進級した。
書簡は当時の軍事郵便として戦地と蒲郡との間に交わされた。いずれも「検閲済み」の印や、差出人を証明する印章もある。
夫婦の間に37年、長男が生まれ、栄さんは戦地に赴いているために顔を見ることができないものの、「軍人の子どもとして恥ずかしくない教育を」と伝え、峯子さんも「背の君 栄様」と愛情を示す書き出しや、近くの神社に無事を祈っていることを書き綴っているという。
水谷さんは「息子を授かっても離ればなれとならなければならなかった新婚夫婦が愛を深めるためのラブレターとも受け取ることもできる」と分析。「家族を鼓舞して自らも奮い立たせる文面や、当時の蒲郡の描写もあり貴重な資料となる」と話している。
校正は始まったばかり。27日午後1時半から蒲郡市勤労福祉会館で経過報告会を開いて、多くの参加者を募って製本化を目指している。
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