遊佐町杉沢に古くから伝わる民俗芸能「杉沢比山(ひやま)」(国指定重要無形民俗文化財)が20日夜、地区の鎮守・熊野神社境内の特設舞台で奉納上演された。
杉沢比山は洗練された鮮やかな舞が特徴。言い伝えがなく記録も残されていないため、由来ははっきりしないが、鳥海山修験の隆盛期に端を発するとされている。宗教的な猿楽や田楽が結び付き、地区民により独自の芸能に発展、14番の演目が現存している。8月6日の「仕組(しくみ)」、同15日の「本舞(ほんまい)」、同20日の「神送(かみおくり)」の3回、同神社に奉納される。1963年に「杉沢比山保存会」(事務局・遊佐町教育委員会)を組織、町を挙げて保存に努めている。芸術的な価値が高いと評価され、78年には国の重要無形民俗文化財に指定された。
「神送」の20日は午後7時すぎに幕開け。樹木と女性の恋愛を描いた「橋引(はしひき)」、大江山の鬼伝説をモチーフにした「大江山」などの演目が地区の舞い手により演じられた。神社境内が厳粛な雰囲気に包まれる中、見物客が三々五々訪れ、時のたつのを忘れ、華麗な舞に見入っていた。