南紀高校(和歌山県田辺市)の丸村真弘教諭(55)と帝京平成大学(東京都)の武田正倫教授(68)は、県立自然博物館(海南市)が所蔵するコノハガニ(モガニ科)の標本2種が新種であることを発見。このほど出版された国立科学博物館研究報告の英文論文で発表した。
新種のカニの標本は、1999年に他界した串本町の永井誠二さんが、70年代半ばから日本列島沿岸や台湾、琉球列島に至る海域で採集した約1300種4千点に含まれていた。永井さんの死後、家族が県立自然博物館に寄贈、2001年から丸村教諭ら2人が研究を進めていた。
今回発見された新種は学名「フエニア・ナガイイ」和名「ナガイコノハガニ」(甲幅約1・2センチ、甲長約1・5センチ)と学名「フエニア・トヨシオアエ」和名「トヨシオコノハガニ」(甲幅約1センチ、甲長約1・5センチ)と命名された。それぞれ鹿児島県の屋久島と琉球列島で採集された。
日本でコノハガニの仲間は海藻によく似た形の甲羅を持ち、海藻の中に潜んで生活している。一般的には雌雄で甲羅の形が四角と三角で異なるが「ナガイコノハガニ」は雄が雌のような四角をしている。「トヨシオコノハガニ」は雄の甲羅が目の後ろで膨れ、再び後端近くで翼のように膨らんでいるのが特徴。
丸村教諭らは今後も永井コレクションの研究を続けていく予定。