燃える船、水面を染める

紀伊民報社 文化 2010年8月16日

 和歌山県田辺市下川上、日置川支流の安川で15日夜、麦わらで作った舟に新仏を乗せて、火をつけて流す「流れ施餓鬼(せがき)」があり、遺族や地元住民ら約160人が河原で見送った。

 県指定無形民俗文化財。起源は定かではないが、文化年間(1804~18)の大水害で、亡くなった人の霊を弔うために始めたと伝えられる。

 この日の朝、地元愛郷会(柿平八郎会長、20人)が3時間かけて、竹で骨組みした長さ約9メートル、幅1・5メートルの舟を作った。高さ約1・5メートルの船頭に見立てたわら人形も作り、灯籠(とうろう)とともに舟に乗せた。

 麦わらの提供にかかわった会津小学校から児童7人、麦を刈るのを手伝った富里小学校の児童7人も参加した。

 午後7時半ごろ、法伝寺の瀬戸文紹住職が読経。参列者の新仏の焼香が終わると、舟に11体の新仏の位牌(いはい)を乗せ、火を放った。地元の若者が誘導し、川に流した。舟は燃えさかり、水面を赤々と染め上げながら下って行った。

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