鶴岡市関川地区に伝わる「しな織」の技術を習得する研修生として、神奈川県小田原市出身の伊良部乃野さん(30)が、同地区で研修生活をスタートさせた。
関川地区の女性たちの手で受け継がれてきたしな織は、日本三大古代布に数えられ、「羽後しな布」として2005年9月に庄内で初めて国の伝統的工芸品に指定された。
研修生の受け入れは、関川しな織協同組合(五十嵐勇喜代表理事)が1995年からしな織技術を後世に残そうと行っているもので、伊良部さんは11期生。期間は来年3月末まで。
伊良部さんは、昨年10月に同地区で開かれた関川しな織まつりでしな織体験をしたことがきっかけで興味を持った。インターネットでこの制度のことを知り、9年間勤めていた東京都内の通信販売会社を退職し、応募した。7月21日から同地区の麻耶寮で一人暮らしを始め、しな織センターで地域の女性たちから指導を受け、しなの皮の糸をよったり、織り機の扱い方など、しな織の技術や伝統を学んでいる。
伊良部さんは「すごく素朴で原始的なところにひかれた。技術をしっかり学び、将来的には私の世代の人たちが興味を持ってくれる製品を作り、多くの人にしな織を広めていきたい」と抱負を語った。