和歌山県田辺市稲成町の日本画家、牛尾武さん(55)が、移り変わる市内の風景を素描画に描き留めている。描いた絵画は11月に同市本宮町の世界遺産熊野本宮館で展示する。
市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長から「移り変わる田辺の姿を残せないか」と相談を受け、描き始めた。描く場所を高山寺(同市稲成町)の曽我部大剛住職(51)の助言を受けて選び、昨年秋から制作を進めている。
描く対象は熊野古道や下町の風景、神社、田辺祭、民家を支える石積み、高山寺や周辺など。描いていたほこらが、絵を完成させた時にはなくなっていたこともあったという。サイズは6号で、25枚程度描く予定。それぞれの絵画には、曽我部住職が描かれた場所への思いなどをつづる。
牛尾さんは「観光コースを外れて町の中に入ると、裏通りの楽しさがある。田辺をさらに愛する良い機会になった」、曽我部住職は「絵には描き手の心が織り込まれている。田辺の魅力を再認識してもらえたら」と話している。
展覧会「牛尾武素描展―残響の熊野」は11月初旬から約1カ月間開く予定。