中上健次の金屏風を寄付

紀伊民報社 文化 2010年8月4日

 和歌山県新宮市出身の芥川賞作家、中上健次(1946~92)が連句を書いた金屏風(びょうぶ)がこのほど、イラストレーターの黒田征太郎さんから新宮市の中上健次資料収集委員会に寄付された。6日に市民会館である熊野大学夏期セミナーで展示される。

 1990年5月に大阪市北区のイベント広場「ナンジャン(乱場)」で、中上健次と黒田さん、作家の野坂昭如さんが、新井英一さんの音楽に合わせ、句と絵を交互にかいた金屏風。句は江戸前期の俳諧師、松尾芭蕉の「芭蕉七部集」のうちの「猿蓑」にある「夏の月の巻」を基にした「本歌取り」とされる。屏風は縦1・8メートル、横5・4メートル。

 黒田さんから中上健次の妻かすみさん、長女の紀さんを通して寄付された。

 委員会は「健次は俳句の批評はしているが、実作はしていない。委員会が知る限り、熊野速玉大社で同じように連句を模造紙に書いたものとこの屏風の2点だけ。それだけに貴重」と話している。市立図書館内にある委員会で保管する。保存状態はよく、今後、記念イベントなどで公開できればという。

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