物理化学方式とバイオのトイレ 車山肩で実証開始

長野日報社 行政・政治 2010年7月16日

 ニッコウキスゲ群生地にもかかわらず、公衆トイレがない霧ケ峰高原・車山肩で、諏訪市は16日、複数のし尿処理方式のトイレを置いて実証実験を始めた。汚水を浄化して洗浄水として循環再利用する物理化学方式と微生物利用のバイオトイレ、通常の仮設トイレの3種類を、観光の最盛期に合わせて設置。環境負荷や維持管理、処理や臭気、騒音の状況を調べ、整備方法の検討に役立てる。
 車山肩へのトイレ整備については、39の機関・団体でつくる霧ケ峰自然環境保全協議会と諏訪市が、昨夏に実験調査を委託したコンサルタント会社から「物理化学処理方式が最適」と提案を受けた経緯がある。
 ただ、この結果は、仮設トイレでの使用人数やくみ取り量、水の補充量などを基に出されたもので、同市は、物理化学を含め複数の方式を実際に試す必要があると判断。一定期間無償で提供してくれる業者を探したところ、県内外の2業者が応じた。
 物理化学も微生物利用も排水施設のない場所で採用される方式だ。物理化学は汚水を処理水槽やオゾンで浄化、洗浄水にする内部循環型で、2トンの水を入れておけばしばらく稼働できる。一方、微生物利用は排せつ物を微生物が分解するため、くみ取りが不要という利点があり、市内でも導入例がある。
 実証実験は8月末まで。仮設トイレを含め、いずれもドアの開閉で利用者数が分かる装置が付いており、最高で1日2000人が訪れるトップシーズンの利用に対応できるかも検証する。臭気や騒音の状況は、清掃委託業者や観光事業者に聞き取る考えだ。
 車山肩ではこれまで、ニッコウキスゲの時期を中心に同所で営業するレストランなどにトイレ利用が集中。くみ取り費用の負担増につながっていた。市観光課は「車山肩のトイレ対策は大きな課題。机上ではなく、現地に実物を置いてみて、望ましい方式を検証したい」と話している。

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