カサゴに目印付けて10万匹放流

紀伊民報社 未分類 2008-07-03

 和歌山県水産試験場(串本町)は、高級魚カサゴ(ガシラ)の放流効果を探るため、3年間で、田辺市とみなべ町、串本町などの沿岸に、目印を付けた稚魚約10万匹を放流する。これほど大規模な追跡調査は初めてという。関係者は「効率的な栽培漁業の方法を探るのが狙い。捕獲したときは連絡してほしい」と漁業関係者や釣り人らに協力を求めている。
 6月17日には串本町津荷で1万匹を放流しており、近く、田辺市新庄町に1万2000匹、みなべ町堺に7000匹を放流する予定。
 カサゴは磯資源として重要な魚だが、年々漁獲量が減少している。串本漁協では1990年の17・8トンをピークに激減、2000年代には3~5トン台にまで減った。
 そのため、県は放流事業を計画。カサゴは定着性が強く、栽培漁業に適しているという。身近なところに放流することで、そこを漁場に変えることができ、水産資源の確保に加え、漁師が危険な沖に出なくて済む。また、価格も高く、収入アップにつながるとみている。
 数年前にも追跡調査をしたが、放流数が年間3000匹前後と少なかったことから、漁師の聞き取りや市場調査で放流魚を確認できなかった。試験場が2年前に新しい施設になり、種苗生産技術が確立されたことから、今回、放流量を約10倍に増やすことができた。
 放流するのは全長7センチ前後。今年1月に天然の親魚から4ミリ前後の赤ちゃんカサゴを採取し、ワムシを餌に種苗生産していた。目印として腹びれの片側を抜き取っている。個体によっては再生する場合もあるが、8割以上の確率で放流魚が区別できるという。
 腹びれのないカサゴを捕獲した場合は県水産試験場(0735・62・0940)へ。

写真=腹びれを抜いたカサゴ。復活して片方が少し出ている個体もある

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