瀬戸内町嘉徳集落の海岸に12日、普段は目にすることのない海岸線と平行に走る不思議な川が出現した。集落を流れる嘉徳川の河口が波風によって積もった砂でふさがれ、行き場を失った川の水が海岸の中央付近まで横に走り海に注いでいる。河口が砂洲でふさがれる現象は「河口閉塞」と呼ばれ、同集落では数年に一度大規模なものが発生するという。 太平洋に面した嘉徳海岸は延長約1キロでサーフィンスポットとして有名。集落の入り口を流れる嘉徳川には絶滅危惧種のリュウキュウアユも生息している。住民らによると、河口閉塞は台風の後など年に数回発生しており、波風のほか川の水量低下も発生要因として考えられている。
嘉徳川近くで染色業を約30年続けている男性(75)は「仕事を始めたころは川の水も豊かで(河口閉塞は)見られなかったが、公共工事の影響で20年ほど前から水量が減り発生するようになった」と指摘する。またリュウキュウアユの研究者で嘉徳川に約20年通っている新村安雄さんは「川の水量低下は公共工事などによる上流部での土砂流出だけでなく山の保水力低下も考えられる」と語り、リュウキュウアユの生息環境悪化を懸念していた。
河口閉塞はリュウキュウアユの遡上の妨げになることから、新村さんは地域住民らの協力を得て、河口に積もった砂の除去作業も行っている。
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