大阪芸術大学環境デザイン学科講師の横山素夫さん(61)が、梅干しを2次加工する際に発生する調味排液を処理する新方式を完成させた。従来よりも省スペース・低コストで自社処理することが可能になるという。
梅の調味排液の自社処理は、工場排水の浄化槽に排液を投入し、微生物によって水と汚泥に分解する「活性汚泥法」が主流になっている。しかし活性汚泥法では排液を100倍に希釈しなければならず、時間がかかる上に、大量の水や広いスペース、高額な費用が必要になる。そのため、実際に自社処理をしているのは規模の大きな加工業者に限られている。
新方式では、排液を3段階で処理。1次処理には、大阪生物環境科学研究所(大阪府茨木市)が開発したバイオレーゼという処理法を使用している。バイオレーゼ法は、高濃度の排液を特殊な菌によって直接処理する方式で、4、5日で3分の1以下の濃度まで下げることができる。2次処理には微生物に酸素を供給するエアレーション法、3次処理には活性汚泥法を利用し、最終的に河川に放流できる濃度まで下げるという。
横山さんは昨年6月から、田辺市内の梅加工業者でバイオレーゼを用いた方法を実験し、効果があることを確かめた。実験ではより効率を高めるため2倍に希釈した排液を使用したが、原液のままでも処理できるという。それぞれの排出量に合わせて設置できるため、中小規模の会社でもコストを抑えて自社処理できるようになる。初期経費は3年ほどで償却できるという。
横山さんは「これまで調味排液を直接処理することは不可能だと考えられていたが、可能なことが実証できた。コストは従来の5分の1以下になると思う。環境保全のためにも、新方式が広まれば」と話している。