ジョン万次郎「漂客奇談」の写本、伊那で見つかる

常陽新聞新社 地域 文化 2010年3月19日

 日本人として初めて米国に渡り、幕末の激動期に大きな役割を果たしたジョン万次郎(中浜万次郎、1827~98)が米国から帰国後、薩摩藩や幕府の長崎奉行所に取り調べられた時の記録をまとめた「漂客奇談」の写本が、伊那市狐島の小林千元さん(72)の手元に残っている。NHK大河ドラマ「龍馬伝」などで幕末史が注目を集めている時だけに、小林さんは「関心のある人にはコピーをして提供してもいい」と話している。
 小林さんの実家は、箕輪町小河内で代々名主を務めていた旧家で、残っていたさまざまな古文書類の中に「漂客奇談」もあったという。B5判ほどの大きさで約100ページあり、最後に「安政六巳末年 葉月中旬写之 清水氏」とある。
 表紙などは破れかけているものの中は虫食いなどもなく保存状態は良好。小林さんによると、安政6年ころは4代前(高祖父)にあたるといい、写本が残っていた経緯ははっきりはわからないという。
 「漂客奇談」は、前段の46ページが万次郎以外の漂流民の話が記され、後半の56ページに万次郎が14歳で漁に出て遭難してから、米国に渡って高度な教育を受けてきたことなどがつづられている。
 小林さんは、「こうした写本があるのは、当時の人たち が最新の海外事情などに強い関心を 持っていた証し。大河ドラマなどで関心も高いので、興味のある人には見てもらえれば」と話している。

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