最後の生徒を送り出す/紬伝習生の修了式、名瀬で

南海日日新聞社 社会 2010年3月16日

1043人育て 制度終了

 大島紬の技術者を育成する紬伝習生の修了式が15日、奄美市名瀬の県大島紬技術指導センター(上原守峰館長)であった。大島紬の中堅技術者を育成してきた伝習生制度は2009年度で終了。制度は1932年度(昭和7年度)に始まり、09年度を含め、これまでに1043人を産地に送り出した。出席者からは制度の終了を惜しむ声が聞かれた。
 最後の修了生は里明子さん(40)=デザイン科、奄美市名瀬=と、大島綾さん(28)=締加工科、神奈川県出身。4月以降、里さんは本場奄美大島紬技術専門学院、里さんは引き続き技術指導センターで学ぶ予定。
 2人に修了証書を手渡した上原館長は「体で覚えたことは一生の宝。今後は皆さんのような若い人が産地を支えていく。先人の知恵を学び現代社会に新しい感覚の紬を創造して」と激励し、「(再編・統合で)伝習生制度は終わるが、技術指導生制度を活用して後継者育成に努めたい」と式辞を述べた。
 来賓祝辞は3人。県大島支庁の元山義和支庁長、朝山毅奄美市長、本場奄美大島紬協同組合の田川盛二理事長が「(制度終了は)寂しい限りだが、また新しい大島紬の振興を願い努力していこう。大島紬の発展の担い手になって」と励ました。
 多くの激励を受けて大島さんが「大島紬の奥深さと良さを実感した。大島紬の発展に微力ながら一生懸命頑張っていきたい」と謝辞を述べた。
 伝習生制度の廃止は、大島紬技術指導センターが10年度から工業技術センター(霧島市隼人)に統合、大島紬部として再編されることによるもの。大島紬の生産量が激減していることを踏まえて県が決定したもので、今後は現行の技術指導生制度を活用して技術者の養成を継続する。
 大島紬技術指導センターによると、伝習生制度は戦中戦後の一時期に中断したが、現在の締加工、デザイン、染色加工の3学科(いずれも1年間)のほか、79年までは製織科もあり、ピーク時には168人が在籍した。

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