役員全員が辞職へ、道アイヌ協会釧路支部【釧路】

釧路新聞社 社会 2010年3月15日

支部長「助成金返還に応じぬ」

 道から不適切な会計処理を指摘され、北海道アイヌ協会(加藤忠理事長)から約212万円の返還を求められている同協会釧路支部(秋辺得平支部長・会員89人)は14日、釧路市の春採生活館で臨時総会を開き、今月31日付で、秋辺支部長以下役員全員の辞職を承認した。また、秋辺支部長は一連の問題について会員に陳謝し、「意図的に不正をしたということではない」と弁明した。
  この日の臨時総会には、委任状を含む50人が出席。総会ではまず、秋辺支部長が「お騒がせしましたことについて、心からおわびを申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」と出席者に対し、一連の問題について陳謝した上で、「すでに責任を痛感している」と表明し、辞任する意向を示した。
 同支部をめぐっては、昨年11月の道議会で不明朗会計が指摘されて以降、道が2度にわたり同支部などに立ち入り調査。その結果、アイヌ舞踊や刺しゅうなどのアイヌ文化伝承事業の講座が2007年で一部、08年で全部、実施されていない可能性が指摘され、委託金などの返還を求められた。同協会では今月7日、札幌市内で臨時総会を開き、秋辺支部長の同協会理事職の解任と同支部長職の辞任を勧告している。
 秋辺支部長は、議事の中でこれまでの調査の内容や不適切な会計処理に至った経緯などを説明。助成金の使途が不明とされた「伝統海浜漁労用イタオマチプ(木造船)複製事業」については、「(道側に)完了報告を出し、承認を受けている。私たちの落ち度だけではない」とし、旅費や謝金の水増し請求については「招待された人数を超えて参加した場合、(謝金などは)参加者全員で平等に分け、領収書は招へい者の分だけ押印してもらうということをやってきた。了承の上の『やりくり』だ」と主張した。
 その上で、協会本部からの助成金の返還要求については「明細がはっきりしていないものに応じることができない」とし、道やアイヌ文化振興・研究推進機構と全面的に争う考えを示した。
 また、秋辺支部長は自身の辞職に加え、役員全員の辞職、組織の立て直しに向けた「再建委員会」の発足を提案し、了承された。
 総会後、秋辺支部長は記者団の取材に応じ、「不適切な処理はいくらかあるというのは認識している」との考えを示す一方、「意図的に不正ではなく必要な費用を生み出すために『やりくり』しただけで、不正とは思っていない」と述べた。

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