和歌山県白浜町椿で昨年末まで営業していた温泉旅館「ときわ楼」の元経営者、硲剛士さん(61)がこのほど、「教材に使ってもらえれば」と江戸時代から昭和中期に使われた硬貨約800枚や紙幣約200枚、金属製の手鏡を椿小学校に寄贈した。
硲さんによると、旅館の金庫に長年、保管していたものだという。「以前に学校から教材にしたいと要望があり、贈ったことがある。今回も役立ててもらえるなら」と寄贈することにした。
明治、大正時代のものが多く、半銭、一銭、二銭硬貨などがあった。江戸時代の「天保通宝」や「寛永通宝」もあった。
手鏡は直径7センチ、長さ11センチのものから、直径15・5センチ、長さ25センチのものまで4枚。製作時期は不明だが、裏に松や鶴の絵が彫ってある。硲さんによると、ときわ楼はもともと白浜町富田の草堂寺近くの大辺路街道沿いにあり、江戸時代後期から、かじ屋や、はたご、仕出屋を営んでいたことから「当時のものもあるかもしれない」と話している。
ほかに、同旅館のテーマソングとして有名作曲家の故市川昭介が作曲し、五月みどりが歌っている「ときわ楼音頭」のレコードも寄贈。硲さんの先代が製作し、宿泊者に配っていたという。
受け取った児童会役員は、珍しい古銭などに興味津々。6年の上田紗也菜さん(12)は「こんな古いお金は見たことがない。大切にしたい」と喜んだ。紙幣には武内宿禰や板垣退助、二宮尊徳、和気清麻呂などが描かれていて、5年の山田航大君(11)は「お札にある人物を調べてみたい」と話した。
久保多喜子校長は「教材として活用したい」と話した。