岡田克也外務大臣が7日、根室入りし、納沙布岬から北方領土を視察したほか、元島民らとの懇談会に臨んだ。外相の来根は8年ぶり。非公開で行われた懇談は、参加者によれば「地元への激励と外相自身の決意表明」的な内容だったが、現地視察要請からわずか3カ月での来訪や、一つのテーブルを囲んで元島民らと向き合うなど、自民党政権時代にはない``変化、、を随所に見せた。この訪問に、参加者は領土問題解決への期待値を上げていた。
外相の根室訪問は、昨年の衆院選で自民党候補応援のため政務で来根した中曽根弘文前外相がいるが、公務による来根は2002年の川口順子元外相以来となる。
地元選出の仲野博子衆院議員、高橋はるみ道知事、長谷川俊輔根室市長らが出迎える中、納沙布岬に到着した岡田外相は、横断幕を持って歓迎する元島民の人垣に分け入るなど、歴代大臣との違いを見せていた。
元島民や北方領土返還運動関係者33人が出席した懇談会でも、外相自らの提案という一つのテーブルを囲む和やかな雰囲気で行われた。これまで数多くの大臣級要人を迎えている出席者の一人、千島歯舞諸島居住者連盟根室支部の河田弘登志支部長は「顔を突き合わせるような感じで驚いた」と話した。懇談の場では8人が発言したが、「わたし以外はすべて元島民で、配慮がうかがえた」(長谷川市長)と今までとの違いを実感していた。
懇談会では地元から、領土を面積で分割するような3・5島発言が政府関係者から出たことに対し「日本側からハードルを下げるような発言を慎んでほしい」「鳩山総理の早期現地視察」「返還運動後継者対策」との要望が寄せられた。
岡田外相は、「実際に目で見て臨場感を持って議論をしたいと思い、きょうの視察となった。日ロの首脳は自分たちの世代で解決しようという思いでいる。その思いを具体的に前進できるよう頑張りたい」とあいさつ。出席者には「明日(8日)首相に会う。わたし自身の口で皆さんの思いを直接伝える」と述べた上、「(今の)日ロ関係は、双方が解決の糸口を模索している最高の状態。このチャンスを逃さず、全力で当たる」と決意を披露したという。
出席者は「返還運動原点の地で外相の決意を直接聞けたのは意義がある」「まじめな人柄と感じた。その人柄で足場を固めながら交渉してほしい」と印象を語った。千島連盟の小泉敏夫理事長は「これまでの政権は継続性がなかった。(交渉が)一段上がるのではないかという期待が持てる」と話した。