「歴史に残るメダルだ」「金と同じ価値がある」―。バンクーバー冬季五輪第16日の2月27日(日本時間28日)、茅野市に初めてのメダリストが誕生した。スピードスケート競技の最後を飾る女子団体追い抜きで、小平奈緒選手(23)が銀メダル。日本女子スピード陣で史上最高成績となる快挙を成し遂げ、地元は大きな喜びに包まれた。
連日行ってきたテレビ観戦会も最終日。茅野市役所には50人余が集まり、“地元の星”の登場を今か今かと待った。5時30分ごろに準決勝が始まると、「ニッポン!」「小平!」と声を張り上げて応援。ポーランドをかわして銀メダル以上が確定すると、全員で万歳をして喜びを 分かち合った。
豊平小時代に5年間指導した両角実晃さん(44)は、「(指導に)携わらせてもらって幸せ」。家族で応援に来た田島彩貴さん(7)は「とても速かった。わたしもオリンピックに出たい」と目を輝かせた。
出身地の南大塩区公民館でも、興奮は最高潮に達した。木やりで後押しした牛山和利さん(43)宮坂誉さん(41)は、ドイツとの頂上対決を前に「すごい。ここまで来たら頂点を狙ってほしい」。決勝で周回を重ねるごとに日本のリードが広がると、ボルテージはそのつど右肩上がりに。最終周で逆転負けし、一時は「信じられない」といった静寂が会場を包んだが、すぐ祝福ムードに変わった。
小平選手の後輩に当たる豊平スケート会の篠原まりんさん(8)は「金じゃなくて残念だけど、かっこよかった」。祖母の小平ミエさん(84)は「ここまで上がってこられただけで立派。帰ってきたら、『ゆっくり休め』と言いたい」と孫の活躍を喜んでいた。
これで、茅野市関係4選手の出番はすべて終了。最後に小平選手がメダルを取り、有終の美を飾った形となった。市役所で見守った柳平千代一市長(56)は「多くの感動をもらった。温かく4選手を迎え、次世代の子どもたちに勇気と希望を与えたい」。市スケート協会の山岸文典会長(62)も「これを機に底辺が拡大してくれれば」とスケート復権に期待を込めていた。