熊野古道を世界遺産追加登録へ

紀伊民報社 文化 2010年2月18日

 世界遺産の追加登録を目標に、和歌山県は2010年度から5年間で「紀伊山地の霊場と参詣道」に関連する文化財の国指定の申請を進める。保全や地域活性化に生かすのが狙い。「新たな候補地」を抱える地元関係者の期待も高まっている。

 参詣道の中には、登録地が細切れとなり、連続していない区間がある。特に大辺路は延長94キロのうち、登録は10キロ。串本町│那智勝浦町間は空白地帯となっている。田辺市の赤木越(三越峠│湯の峰温泉)8・2キロ、潮見峠越(田辺市下三栖│同市中辺路町栗栖川)14・5キロも登録がない。

 未登録は開発などで消えた区間もあるが、史跡指定に地権者らの理解が得られなかった個所も多いという。

 県は外部の専門家らで構成する検討委員会を設置。1年間かけて参詣道や社寺、王子社などを現地調査し、関連資料を調べる。同時に地権者の特定なども急ぎ、5年間で史跡や重要文化財指定を促進する。10年度は235万3千円の予算案を2月県議会に提案する。

 県教委文化遺産課は「世界遺産登録から5年。観光面の活用は進んだが、『顕著な普遍的価値』の認識は不足している」と指摘。「文化財指定をきっかけに、郷土文化への理解を深めたい」と話している。

 古道の復元や保全を進める「大辺路刈り開き隊」の上野一夫代表は「登録時、大辺路は取り残されたとの思いが強かっただけに、楽しみ」と期待。「ただ、地元も古道の価値に気付いていない。関係機関と連携し、石畳の補修などを進めるとともに、魅力をPRしたい」と話している。

 世界遺産登録の暫定リストには日本から12件が記載されているが、「平泉の文化財と遺跡群」が登録審議延期になるなど苦戦している。

 文化遺産課は「和歌山の場合はすでに価値が認められており、新たに要件を満たした物件の拡大登録。新規登録より有利では」とみている。

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