120年前に和歌山県串本町樫野沖で遭難したトルコ軍艦エルトゥールル号の遺品発掘調査団は16日、町内で記者会見を開き、2006年からの5カ年計画の最終年となった今年の調査で金貨や陶器片などの遺品2114点を引き揚げ、これまでに引き揚げたものと合わせると6825点に上ると発表した。トゥファン・トゥランル団長(57)は、今後、トルコ国内での遺品里帰り展示の準備にかかるといい、調査については「できれば来年以降も続けたい」と語った。
会見は遺品の保存処理の場として使われてきた、同町串本のERC(エルトゥールル号研究センター)=旧西区民会館=であり、メンバーが、今年引き揚げたイギリスの1ポンド金貨や日本の1円銀貨、士官のベルトバックル、下士官の制服ボタン、エンジンの一部とみられる部品などを前に説明した。
06年からの計画で、準備期間を経て、本格的な遺品の引き揚げは08年から始まり、毎年1月に行ってきた。今年の調査期間は1月17日から2月15日までで、うち潜水できたのは15日間。トルコ人と地元ダイバーら6人が引き揚げ作業をした。5年間の合計潜水日数は64日で、約527時間だった。
トゥランル団長は、これまでの調査を振り返り「毎回予想以上の成果があった。エ号のことを理解する多くの判断材料になるだろう」と成果に胸を張った。
引き揚げた遺品の一部は、トルコで遺品里帰り展を開いて公開する。9月からメルシン、イズミル、イスタンブール、ボドルムなどの都市を巡回する。その後は東京、横浜、大阪などで展示をしたいと考えているという。
エ号の遭難海域を一般ダイバーに公開する「海中博物館構想」も持っており、調査団の地元ダイバーは「今後、漁協など関係者と話し合い、実現できれば」と語った。