龍郷町の秋名・幾里地区に伝わるアラセツ(新節)行事の「ショチョガマ」と「平
瀬マンカイ」が28日、同地区の山腹と海辺であった。旧暦8月の初丙に行う稲作儀礼
。1985年に国の重要無形民俗文化財に指定された。大勢の見物客が見守る中、稲
魂を招いて収穫に感謝し、豊饒を祈った。
地区の田袋を見下ろす山の中腹に建てられた片屋根のわらぶき小屋(ショチョガマ
)で午前5時半ごろ、チヂンが打ち鳴らされ、祭りが始まった。宮司が祝詞を唱えた
後、屋根に上った幼児から大人まで男衆約80人が唄を一節歌い終わるたびに「ヨラ、
メラ」と声を掛け、屋根を揺さぶった。
東の山の稜線から日が差し込んだ7時前、南側へ小屋が倒れると、周囲から歓声が
上がり、保存会の面々は小屋の上でチヂンを打ち鳴らしながら八月踊りを踊った。
平瀬マンカイは午後4時すぎ、海岸の西側にある二つの岩であった。しめ縄が巡ら
された沖側の「神平瀬」に白装束のノロ5人、集落側の「メラベ平瀬」には男女7人
の神人がそれぞれ上がって向かい合い、唄を掛け合いながら手を左右に揺り動かして
海の彼方からの神を招き寄せ、豊作を祈った。
この行事は400年以上の歴史があるとされる。かつて奄美の幾つかの集落で行わ
れていたが、現在残るのは同地区だけ。秋名・幾里地区でも戦時中に一時途絶えたも
のの60年に復活。住民で組織する保存会(隈元吉宗会長)が受け継いでいる。祭りが
終わると、海岸に集まっていた住民らは持参した重箱を開いてにぎやかな宴を繰り広
げた。
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