活発な梅雨前線と低気圧の影響で23日、上伊那地方は降り始めからの雨量が伊那市をはじめ辰野町、飯島町などで100ミリを超え、箕輪町の林道で土砂崩れが発生し、伊那市高遠町では民家が床下浸水するなどの被害が出た。県と長野地方気象台は同日午後、大雨による土砂災害への危険度が高まったとして伊那市と箕輪町、茅野市に「土砂災害警戒情報」を発令(同6時解除)。同気象台も一時大雨警報を出し、土砂崩れや河川の増水などに警戒するよう呼び掛けた。
同気象台によると、大雨をもたらしたのは日本の南海上に延びた梅雨前線。この前線に強い寒気が流れ込んだ影響で大気の状態が不安定になったため、局地的に雷を伴い激しい雨が降った。その後雨が弱まり、同日夜、大雨警報を注意報に切り替えた。
21日午前9時の降り始めから23日午後7時までの降雨量は、伊那市高遠町で138ミリ、宮田高原125ミリ、伊那市伊那部113ミリ、辰野町と飯島町で103ミリなど。上伊那地域で1時間降雨量が最も多かったのは宮田高原で、最大25ミリを記録した。
伊那市高遠町では午後12時40分、黒沢の市道で土砂崩れが発生したほか、水上、北原、大沢で市道に土砂が流れ込み、一時通行止めになった。三峰川左岸の高遠浄化センター前では、大沢川上流部のゲートに流木が詰まった影響で沢渡高遠線に土砂があふれ、除去作業のため一時交通規制になった。
高遠町藤沢の国道152号杖突峠と箕輪町を結ぶ林道日影入線は、箕輪ダムもみじ湖先1キロ付近で一部土砂が崩落したため、全面通行止めに。床下浸水は北原で4軒、栗田で4軒、黒川で2軒、御堂垣外で1軒だった(午後7時現在)。
高遠町総合支所では午後5時45分、市や県、消防、警察関係者が集まり、被害状況を報告し、今後の対応を話し合った。24日には班ごとに町内を巡回して状況を確認する。伊藤俊規支所長は「住民の安全確保を第一に、それぞれ対策を進めてほしい」と指示した。
一方、午後零時ごろ、国土交通省天竜川上流河川事務所が駒ケ根市、飯島町境の中田切川上流部で建設を進めている中田切第4砂防えん堤の工事現場で土砂崩れが起きた。同事務所によると、のり面が幅約20メートル、高さ約30メートルにわたって崩れ、土砂約1200立方メートルが崩落した。
崩落当時、作業は中断していて、けが人はなかった。崩れた土砂が川をせき止めるなどの下流への影響もないという。
写真=高遠浄化センター前では土砂が流入し、片側交互通行にして除去作業が進められた(午後3時43分)