上野字宮国に伝わる伝統行事の大綱引きが、旧暦7月15日の旧盆(ストゥガツ)最終日の3日夜、宮国公民館前の通りで盛大に行わた。「西里」と「東里」に別れた住民らは満月の下、力強い掛け声に合わせ懸命に大綱を引き合った。1勝1敗1引き分けと互いに譲らぬ攻防の末に4戦目を西が制し、今年の大漁が約束された。
1995年3月に旧上野村の無形民俗文化財に指定されたこの行事は、豊穣(ほうじょう)を祈願する祭りだが、その起源は分かっていない。農作物の収穫を祝い祈願する御願(うがん)綱、または災厄を追い払うため、雨ごいや農作物の豊凶を占うなどの意味があると伝えられている。
昔から中学2年生が主役となって運営していて、今年は西里4人、東里12人の計16人の中学2年生が先頭に立って準備を進めてきた。当日は朝から住民総出で、綱引きに使われるる綱の中心部分となる「ぬどぅ」と呼ばれる部分の材料である「キャーン」(和名・シイノキカズラ)を宮古全域から集め、午後からはそれを束にして編む作業を行い、大綱を完成させた。
午後8時30分ごろから、始まりを告げるホラガイと鐘の音が集落内に鳴り響くと、住民らは公民館前へと集合。主役である中学2年生やその親らが中心となって綱引き前の踊りを舞ったのち、東西の綱が結ばれた。
子どもたちや観光客など多くの観客が見守る中、午後9時30分ごろから大綱引きを開始。東西ともに気合いに満ちた綱の引き合いを見せ、1勝1敗で迎えた3戦目はともに譲らず引き分け。勝敗を決める4戦目も長い勝負となったが、最後は西里が引ききり、今年の大漁が約束された。
綱引き終了後、急な雷雨に見舞われたりしながらも、大綱の御嶽(うたき)への奉納や、「デーロイ」と呼ばれる東西での押し合い、全員でのクイチャーと、祭りは夜遅くまで繰り広げられた。
宮国部落会の来間裕昭会長は「1年の中でも非常に大きなイベント。先祖が部落を一つにまとめ、続けてきた行事なので、絶対になくしてはいけないと思う。今後も皆の力を借りながら継続するとともに、部落の発展を願いたい」と語った。