岡谷市の横川山 「水源の森」食害深刻

長野日報社 未分類 2008-05-30

岡谷市の横川山一帯で、ニホンジカなどによる林業被害が深刻化している。標高1500メートル以上にあるモミの木の8割以上に被害が及び、尾根付近はすでに立ち枯れて荒涼とした景観に一変した。急峻な地形で効果的な駆除ができないため、山林所有者が途方に暮れている。
 横川山は、鉢伏山(標高1928メートル)から左右に連なる岡谷市側の山林。山頂から諏訪湖に至る横河川の水は水道水として利用され、岡谷市民には水源かん養の森として親しまれている。
 横川山の約1750ヘクタールを所有する6カ区でつくる「横川山運営委員会」(宮坂雅司委員長)によると、シカの食害はここ3、4年で深刻化した。モミの木のほか、カラマツも2割ほど被害に遭っている。「シカが木に前足を掛けて口が届く、高さ2メートルくらいまでの樹皮が食べられている」という。
 昨年度は10ヘクタールの約1万5000本に林業被害があったと岡谷市に報告した。市農林水産課によると、市有林にも同様の被害があり、被害は30ヘクタールの約4万5000本(数百万円相当)に上る。担当者は「幹周囲の樹皮を全部食べられると数年で木は枯れる。食べ物がなくなればもっと下にも被害が及ぶだろう」と警戒する。
 県諏訪地方事務所林務課によると、シカは高ボッチから横川山、美ケ原までを群れで行動する。雪の量が少なく自然淘汰の機会が減り、個体数が増加傾向にあるという。効果的な対策は「猟しかない」(横川山運営委)が、広域連携で駆除に取り組んでも「横川山は地形が急峻で狩猟が難しい」(林務課)のが現状。
 被害に遭っているのは、40―50年の樹木。植えたばかりのヒノキ2500本が全滅したこともあった。運営委は今年2月、総代3人がわな免許を取得。自己防衛に乗り出したが、駆除許可が下りるのは「早くて来年秋」という。役員は「横川山は林業だけでなく水源かん養の森でもある。実害があることを多くの人に知ってほしい」と訴えている。

所有林の境界確認で食害の深刻さを目の当たりにする横川山運営委員会関係者たち=同委員会提供

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