岡谷市の「塩嶺小鳥バス」が4日早朝、55回目の運行を開始した。初日は同市郊外の塩嶺小鳥の森を約100人が訪れ、小鳥の森コーディネーターの林正敏さん(日本野鳥の会諏訪支部長)の説明を受けながら、こずえから聞こえてくる小鳥のさえずりに耳を傾けた。
小鳥バスは5―6月の毎週日曜日早朝、小鳥の森で行われる探鳥会参加者を乗せて、上諏訪駅と小鳥の森を往復するツアーバス。野鳥研究家で教員だった故小平万栄さんの提案を受け、日本野鳥の会諏訪支部の主催で1954年に始まった。78年以降は同市の事業として開かれている。
標高1020メートルの小鳥の森にバスが到着したのは午前5時45分ころ。朝日が差し込み始めた森林では、キビタキやメジロ、シジュウカラやモズといった野鳥が盛んにさえずっていた。「さえずりはオスが巣を作るためにメスに歌うラブソング。これからが本調子です」と解説する林さんに続いて、参加者たちは双眼鏡で鳴き声の主を探していた。
林さんによると、小鳥の森では1日に約30種類の野鳥が観察できる。一帯はかつて、焼き鳥用のかすみ網猟を行う場所だったといい、探鳥会では自然や野鳥の保護を唱えた先人の功績も紹介している。初日の探鳥会終了後には、市民から寄贈を受けた日本野鳥の会創設者の中西悟堂(1895―1984年)の書を塩嶺閣に展示した。
今年の小鳥バスは全9回。全員にピンバッジを贈呈するほか、55周年記念として毎回のアンケート協力者に抽選で双眼鏡などを贈る。料金は高校生以上が上諏訪乗車で1000円、岡谷・下諏訪乗車で800円。中学生以下は半額。
写真=小鳥のさえずりに耳を澄まし、その姿を探す参加者たち