手職人、三線工房開店へ/伝統文化の発展に夢

南海日日新聞社 地域 2009-06-04

知名町の西田健太郎さん

 知名町の小米商店街に8日、三線の販売や製作を手掛ける「かりゆし三線工房」が開店する。店主は沖縄県で修業を積み、古里に戻った西田健太郎さん(24)=同町正名=。「弾き手としての実力も身に付け、将来は教室を開きたい。伝統文化の発展に貢献できたらうれしい」と夢を描く。 西田さんは沖永良部高校を卒業後、音楽業界への就職を目指して上京、専門学校でギター製作を学んだ。町役場に勤務する父親の安村さん(52)と兄の耕輔さん(27)も三線を演奏する音楽一家だ。
 「島を離れるまでは興味がわかなかった」伝統楽器の世界だが、バンドで演奏したのを機に魅力を実感。卒業後は沖縄県浦添市で琉球楽器を製作・販売する新城工作所の門をたたき、職人の世界へ飛び込んだ。「想像以上に大変な仕事。毎日が戸惑いの連続だった」という2年間の修業を終えて5月に帰郷した。
 町内では唯一の三線店を営んでいた吉田治里さんが9年前に他界して以来、職人が不在だった。演奏活動に力を注ぐ安村さんは「愛好者は増えたが、沖縄で購入したり、修理を頼んだりと不便を感じていた。近くを通りかかったときは立ち寄ってほしい」と息子の独立を応援。若者の新規参入とあって商工関係者の期待も大きい。
 店内には三線やエイサー太鼓など新城工作所の琉球楽器とともに自作の三線をそろえる。自身が手掛けるのは棹の材料に黒檀を使い、本皮を張る手作りの一品。小刀ややすりで木を削る作業などを繰り返し、1カ月半をかけて1本を完成させる。
 三線に親しむようになって古里の良さを再認識した西田さん。「弾けば弾くほど難しくなる奥深さが魅力。まだまだ半人前だが、多くの人に利用してもらえるよう研さんを積みたい」と抱負を語った。

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