ふるさとの木植樹へ―トステム

常陽新聞新社 社会 2009年6月4日

いのちの森づくり、従業員らが土壌調査

ふるさとの木を植え、地域に根差す本物の森づくりを―。総合建材メーカー「トステム」(本社東京都江東区、潮田洋一郎社長)は、国内外の工場敷地内で地域に合った植樹を行い、環境保全や防災に役立つ森を育てる「トステムいのちの森づくりプロジェクト」を展開していく。

第1弾は、同社の主力生産拠点で国内最大規模を誇る下妻工場(下妻市大木、若林隆工場長)が対象。植物生態学の権威で「本物の森づくり」を提唱する横浜国立大の宮脇昭名誉教授の指導の下、3日は従業員らが工場と周辺の土壌、植生を調べた。調査結果を受けて、実際の植樹は9月下旬から10月上旬に実施する予定。

同日は、工場従業員ら約20人が敷地内の土壌を調査。宮脇名誉教授の指示で敷地外周の植樹予定地を掘り、土の性質や柔らかさを調べた。続いて同市大宝の大宝八幡宮、鎮守の森へ移動。工場近くの森を調べ、どんな木が生えているか、植生の状態などを確認した。

調査を終えた宮脇名誉教授は「もう少しほぐして柔らかくするべきだが、敷地内の土は森づくりに適している。鎮守の森で見られたようなシイの木、シラカシなどを植樹の対象にしたい」と話した。生物多様性を確保するため、約40種類の樹木の苗木を植えるという。

下妻工場は敷地面積21万7000平方メートル。苗木は敷地の外周約1・8キロにわたり約6000本を植える予定。植樹の際は従業員の家族や市関係者、地元住民らを呼び、森を中心とした地域とのコミュニケーションにも役立てる。

プロジェクトは、宮脇名誉教授の考えに賛同した同社が、地球の未来、地域の風土、文化を守ろうと企画。土地本来のふるさとの木で森をつくり、地域住民らとともに、命や自然界とのつながりを考えるきっかけとするのが狙い。

下妻工場の取り組みは、国内外29の工場にも展開する見込みで、プロジェクト全体は長期的なものとなる。同社はプロジェクトの効果に(1)樹木が二酸化炭素を吸収することで、森に炭素を閉じ込める地球温暖化抑制効果(2)防音、防じん、空気浄化、水質浄化など環境保全効果(3)地震、台風、大火などから人間の命を守る防災効果―を挙げている。

同日は宮脇名誉教授の講演会も開かれ、同社の潮田社長、同市の小倉敏雄市長も出席。講演で宮脇名誉教授は「下妻工場の取り組みを世界に発信してほしい。命の森づくりは、参加する皆さんが主役」と呼び掛けていた。

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