宮田村の画像検査処理装置製造販売のタカノ(鷹野準社長)が、県宝に指定されている同村新田の「宮田本陣旧新井家住宅」施設を利用し、地元産そばを提供する新たな観光拠点にする計画で、村が29日開いた村議会全員協議会で明らかにした。6月初旬に県教育委員会の現地調査を受け、施設の現状変更許可が認められれば必要な改修を行い、夏の行楽シーズン前の7月中旬にもオープンする計画だ。
県文化財保護審議会委員の吉沢正己さん(伊那市)によると、私企業とタイアップして、県宝の史跡を物販などに利用するケースは「県内では例がない」と話している。
宮田本陣は、江戸時代の宿場町のほぼ中央にあった建物を1987年、現在の場所に移築復元した。入館者数はその年の年間1303人をピークに年々減少。昨年は118人にまで落ち込み、村も有効な活用法を模索していた。
こうした状況の中で、同社が昨年10月、村に宮田本陣の活用計画を打診。同社がこれまで「高嶺ルビー(赤ソバ)」、「サンルチン」など独自に品種改良し、契約栽培の実績もあるため、村側は「学術的な開放と観光、農業振興面での活用につながる」として、県教委などと実現に向け協議を行っていた。
計画では、本陣や母屋、土蔵など3つの建物のうち、母屋部分の約166平方メートルを手打ちそばを提供する飲食店として利用。宿泊体験や敷地内での地元産野菜・宮田豆腐の販売、郷土料理の提供と料理教室の開催なども見込んでいる。
同社は約890万円をかけ、厨房や内装などの設備を設置する。村側も上下水道施設工事費など531万5000円を補助する予定で、6月村議会定例会に一般会計補正予算案として提案する。
同社の臼井俊之企画室長は「村の歴史や良さを直接実感してもらえる場所として、宮田本陣を選んだ」と選定理由を話し、「地元産の十割そばを多くの皆さんに味わってほしい」と話している。