増殖した帰化植物をボランティアが抜き取り

紀伊民報社 社会 2009-05-27

 和歌山県串本町の九龍島の一部で、南アメリカ原産の帰化植物、ノハカタカラクサ(別名トキワツユクサ)=ツユクサ科=が増え、もともと島にある植物を滅ぼす恐れが出てきた。このため、熊野自然保護連絡協議会と熊野自然保護官事務所はこのほど、ボランティアに呼び掛けて抜き取り作業をした。
 九龍島は古座川河口約1キロにある無人島で、国立公園の第1種特別地域。希少植物もあり、森は町の天然記念物にもなっている。自然保護連絡協議会が昨年行った島の調査で、一部でノハカタカラクサが茂り、海岸の島で見られるのは珍しいという、シダ植物のイワヒトデ(ウラボシ科)と競合していた。
 このままでは、イワヒトデが負けてしまう可能性があることなどから、島の観察会を兼ねてボランティアに抜き取り作業に参加してもらった。参加者はボランティアを含め20人。島に上陸して約1時間の作業で、45リットル入り袋で、9袋分を除去した。
 ノハカタカラクサは常緑の多年草で、白い花を咲かせる。熊野自然保護連絡協議会の滝野秀二副会長によると、この植物は花がきれいであることなどから放置されており、紀南地方に広がりを見せている。刈り取っても、残った茎から根を下ろして育つという。
 滝野さんは「今回ボランティアの協力を得て、目に見える限りでは除去することができたので、効果があると思う。しかし、今後も状況を見ながら、根気よく抜き取り作業を続けていく必要がある」と話している。
 自然保護官事務所によると、九龍島の植生調査は、1981年以来行われていない。近年は、無人島体験として人が島に入るようになっており、島の自然への影響について過去の調査結果と比較するため、昨年から2年かけて植生調査を進めている。調査結果を踏まえて、保護対策に取り組んでいきたいとしている。

紀伊民報社のサイトへ

最新マップ