二川で景観形成事業の「第1号」

東愛知新聞社 行政・政治 2009-05-27

 豊橋市が「旧二川宿の面影残るまち並みを」と景観形成地区に指定した同市二川町でこのほど、同整備事業の助成制度を活用した「第1号」の民家改築工事が始まった。1892(明治25)年に築造された山本保さん方。1・2階とも通りに面した部分はすべて格子窓(戸)にするなど、これまで以上に近世風民家の趣を高める。山本さんは「早く完成を」と楽しみにする。
 市は、地元の動きとタイアップ。旧東海道沿いなど景観形成地区に指定し、今年度から外観の整備に関して助成制度(200万円を限度に二分の一まで補助)を設けた。
 山本さん方は、その「第1号」。計画では現在1階については格子窓はそのまま残し、格子戸は新たに格調の高いものに取り替える。2階のガラス窓は、全面的に格子窓に変更する。
 自慢は、新たに玄関回りの腰壁に設置する鎧(よろい)張りだ。鎧の名の通り、スギ材を幾重にも重ねるほか、周囲は本漆喰で固める。
 鎧張りは東側と西側の側面にも施す予定で、完成すれば焦げ茶色の鎧張りと真っ白な漆喰が絶妙のコントラストを演出する。
 外観だけでなく、室内にもこだわった。
 天井の一部をはがし、玄関を入った部分に四畳半分の吹き抜けを設営した。吹き抜けから2階部分を眺めると、120年前に地元のマツ材を製材せずに、そのたくましい姿のままに使った梁(はり)が目に飛び込む。
 妻のつた子さん(57)は「古民家の趣を自分たちも楽しむと同時に、後世に伝えたい。3年前から、そう考えて、改築を待っていました」と語る。
 施工する住友不動産東海第二支店豊橋営業所の谷口聡介さんは、「驚いたのは、当時の大工さんの腕。とくに、原木そのまま、製材しないマツを組み合わせた梁には、目を見晴らされた。貴重な建築を残し、活用させてもらえることは、私たちにとっても勉強になる」と喜ぶ。
 外観、内装ほか、耐震工事なども並行して行う。完成は9月上旬。つた子さんは「完成後は、要望があれば、家の中も見せてあげたい。私たちの改築が、地域ぐりみの景観づくりに参考になればうれしい」と完成を待ち望んでいる。

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