梅酢添加の餌を食べさせて安心安全な養殖マダイとしてPRしている「紀州梅まだい」を、串本町の魚として全国に発信していくため、養殖業者や販売業者らが集まり、ブランド化推進協議会を発足した。25日に第1回総会を開き、安定価格での販路拡大に取り組む。関係者は「梅まだいを全国に発信することで串本町の活性化につなげたい」と話している。
協議会には串本町の養殖4業者や水産販売業者らが参加。会長は串本町の養殖業岩谷裕平さん、副会長はみなべ町の梅加工業細川清さんが務める。総会は25日午後1時半から、串本町串本の県水産試験場で開き、県水産試験場や串本町農林水産課の職員などがオブザーバーとして出席する。
紀州梅まだいは、県の生鮮食品生産衛生管理システムの認証を受け、さらに協議会で取り決めた品質水準をクリアしたものだけを出荷しており、1キロ当たり1000円前後の安定価格で取引されている。
現在、大阪や京都、神戸、和歌山市の市場に出荷している。一部の百貨店でも取り扱ってもらっており、白浜町の卸業者などにも出している。アメリカにも輸出しており、フランス料理店などで好評を得ているという。徐々にすそ野が広がってきているが、知名度がまだ浸透していないのが現状だという。また、紀南地方で一般の人が紀州梅まだいを食べられるのはすさみ町や白浜町のホテル、みなべ町の国民宿舎などに限られる。
岩谷さんは「一度食べてもらうとその良さが分かる。繰り返し食べてもらうことでブランド化を図り、知名度を上げていきたい」と話している。マダイに加え、梅酢添加の餌を食べさせたクエ、マグロ、シマアジも一緒にPRしていくという。
これまで、県水産試験場の協力を受けて、試食や実験データの収集など、協議会の発足の準備を進めてきた。健康素材として注目されている不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)は通常養殖マダイの1・6倍、ドコサヘキサエン酸(DHA)とオレイン酸はともに1・4倍に増えることが分かった。うま味成分であるアミノ酸に差はなかったものの、料理人によるテストでは、甘み、香り、身の締まり、歯応えなど、すべての項目で通常の養殖マダイを大きく上回った。さらにマダイが病気に強くなることを突き止め、今年2月にその技術を特許出願している。