縄文のビーナスと仮面の女神 大英博物館で展示

長野日報社 地域 文化 2009-05-08

 茅野市の棚畑遺跡から出土した縄文時代の土偶で国宝の「縄文のビーナス」と、中ツ原遺跡から出土した重要文化財「仮面の女神」が今秋、イギリスの大英博物館で開く「土偶(仮称)」展にそろって展示されることになった。2体一緒に海外に渡るのは初めて。世界各地の美術品、民族資料、考古学遺物などが展示される大英博物館に、4、5,000年前に生きた八ケ岳山ろくの縄文人たちの願いや思いが伝えられる。
 柳平千代一市長は8日の会見で、「『縄文のビーナス』は土偶で最初の国宝指定であり『仮面の女神』と共に展示の目玉となると思う。地元でも改めて土偶に関心と誇りを持ってもらい、まちづくりの柱になるとうれしい」と話し、縄文文化の世界への発信に期待した。
 市教育委員会は「ヨーロッパの人に日本の縄文時代、八ケ岳山ろくの縄文文化の素晴らしさ、縄文の人々の祈りや願いの一端に触れてほしい」と位置付けた。
 文部科学省によると「土偶展」は大英博物館からの提案。「信仰文化の源流として土偶を展示して関心が集まった」(担当者)といい、今回、海外では珍しく土偶に絞った展示会の企画になった。
 出品予定は、国宝土偶が同市の「縄文のビーナス」と、「中空土偶」(函館市)「合掌土偶」(八戸市)の3体。すべてが海外で展示されるのも今回初めて。このほか、国内で出土した土偶や人物を表現した土器など合わせて70点近く。県内からは南箕輪村の「人体文付有孔鍔付土器」も含まれる。
 「土偶」展は文化庁、東京国立博物館、大英博物館主催。開催は9月10日から11月22日までの予定。日本国内では東京国立博物館で12月15日から来年2月21日まで、同展帰国展が開かれる予定。
 茅野市から出品される土偶はいずれも尖石縄文考古館で展示している。出品期間の6月下旬から来年3月までは、レプリカを展示する。
 市では庁内に縄文プロジェクトを設置して縄文文化の発信や活用について検討を始めている。柳平市長は「インパクトのある出来事。大きな弾みにしたい。日本の土偶が世界に知らされる機会となり、『ドグウ』が国際語になってくれるといい。今の時代だからこそ、土偶は世界に通用する精神性を持っていると思う」と話した。

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