チョウ標本寄贈・古里への恩返し

南海日日新聞社 社会 2009年4月26日

500種1600点界的希少種も

 古里への恩返しにと、宇検村田検出身で横浜市在住の元会社社長、平直綱さん(73)が二十五日、チョウの標本約五百種千六百点を同村教育委員会に寄贈した。一九六三年から二十五年かけて東南アジアで採取したもので、世界的にも珍しい種がある。同村教委は「チョウを学ぶ貴重な資料。児童生徒のほか、一般の生涯学習にも役立てたい」として、同村生涯学習センター「元気の出る館」で展示していく考えだ。
 平さんは田検小学校を卒業、沖縄の中学、高校を経て明治大学に進み、六三年にライオン株式会社に入社した。アメリカのハーバード・ビジネス・スクールのISMP科に留学、同社の関連会社の社長を務めた。チョウは、同社の国際事業に従事し東南アジアを飛び回っていたころに収集した。
 同村教委に寄贈したのはその大半。特注の標本箱六十個を、その収納棚ごと寄贈した。尾が太い台湾のフトオアゲハ、フィリピンのパラワン島に生息して太陽の光を浴びると虹のような色彩が浮き出るアカエリトリバネアゲハなど絶滅の危機があるとしてワシントン条約で保護されている種も多い。日本の国チョウのオオムラサキ、奄美で見られるオオゴマダラなどもある。
 寄贈に当たっては、同郷の先輩で同村の発展に尽力している渡博文・奄美観光グループ社長(75)が協力した。平さんは「チョウは動物の中で一番進化が分かり、学問的にも勉強になる。図鑑などの写真と実物の色は違うことがあり、標本で本物を知る学習に役立てて」と話した。同村教委では、展示方法を今後詰める。

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