伊那市長谷戸台口と南アルプス北沢峠(2032メートル)を結ぶ市営南アルプス林道バスの運行が25日、始まった。6月14日までは中間点の歌宿(1680メートル)まで、6月15日から北沢峠までの全線が開通し、1日4往復する。
林道バスは南ア北部登山の拠点、北沢峠への唯一の交通手段として1980年に運行を始め、開業以来29年間の無事故記録が続いている。11月上旬までの運行期間中、毎年約4万5000人が利用する。
登山者のピークは7月の3連休から8月までの夏山シーズンと、10月の紅葉の時期。最盛期はバス10台がフル稼働する。車内では運転手による案内があり、車窓から望む山々や季節ごとに咲く高山植物などを説明する。
出発式で小坂樫男市長は、「地質学的に貴重な地形を持った日本ジオパークに認定され、世界遺産登録に弾みがついた。開業30年目を迎え、今年も安全運転を」とあいさつ。テープカットをして無事故と登山者の安全を願った。
初日始発便に1人で乗車した神奈川県平塚市の太田和夫さんは「バスも登山道も貸し切りだった。下は雨だったが途中から雪になり、歩きやすかった。1泊2日で静かな北沢峠周辺を散策したい」と楽しみにしていた。
林道バスの運行に合わせて、新宿から同市高遠町までだったバス「南アルプス号」の長谷への乗り入れも始まった。