無名の名所岡谷の”枝垂れ桜” バスツアーコースに

長野日報社 地域 2009-04-07

 岡谷市湊3の船魂社にある枝垂れ桜が、桜名所を巡るバスツアーのコースに組み込まれた。旅行企画会社クラブツーリズム(本社・東京都)が「災害を受け止めた神の桜」として紹介、大阪や神戸など関西方面から1000人以上が訪れるという。豪雨災害で身を挺して地域を守った枝垂れ桜の物語が、広く知られることになりそうだ。
 枝垂れ桜は、樹齢約110年の古木で胸高幹囲3.8メートル、高さ20メートル。2006年7月の豪雨災害で土石流を受け止め、その威力を分散した。根元の樹皮がはがされる被害を受けたが、地元の花岡区第5町内会の治療で樹勢を回復し、満開の花を咲かせた。豪雨災害の教訓と復興を象徴する存在として愛されている。
 バスツアー受け入れは、枝垂れ桜の根元に飾ってあった小学生の手紙に感激したSUWAガラスの里の池田徹支配人(51)が、「地元で愛される桜」としてクラブツーリズムに推薦したのがきっかけ。花岡区の理解を得て、高遠(伊那市)や横河川(岡谷市)など8カ所の桜名所を巡るコースに組み込まれた。
 岡谷市観光協会によると、8日から23日までに観光バス40台が訪れる予定という。池田支配人は「(無名でも)地元で愛される桜を見たい、という人が増えている。地元の人が守り、傷つきながらも花を咲かせる枝垂れ桜の存在を、より多くの人に知ってほしい」と語る。
 花岡区の小口瀇明区長は「枝垂れ桜は老木だが、地域を守ってくれたことは事実。多くの人に災害のことを理解してもらえたら」と話している。枝垂れ桜は7日現在、つぼみの状態。見ごろは今月中旬になるもようだ。

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