新千歳で金の密輸急増 千歳税関支署、阻止へ検査強化

苫小牧民報社 地域 2017年12月7日

 函館税関千歳税関支署は6日、新千歳空港で金の密輸入が急増し、昨年11月から今年9月末までで約50キロ、2億5000万円相当を押収したことを明らかにした。不正に持ち込んだ金を日本国内で売却して利益を得る犯罪の阻止へ向け、同署は今年度内にも新たな金属探知機を導入し検査を強化する方針だ。

 同署によると金の密輸による関税法違反容疑での摘発は2015年が1件、16年は11月以降に5件、17年は9月末現在で13件と急増している。香港や中国、台湾、マレーシア、タイ国籍の20~70歳代の男女が、上着やズボン、荷物の収納に隠して持ち込もうとしたところを阻止した。同署は押収した金を6日公開した。

 密輸入の仕組みは、輸入時に税関で消費税を納付せずに日本国内に持ち込み、その後8%の消費税額を加えた額で売却して利益を得ようとするもの。昨年11月以降に押収された50キロの金がそのまま税関を通過していれば、密輸入者は2000万円の利益を得ることになる。

 金には紙幣のように番号が記載されており、同じ航空機の複数の旅客や、他の事案の摘発犯が連番の金を所持していたことから、組織的な犯行とみられる。

 同署担当者は「密輸入は税金を払う国民が被害を受ける社会問題」と指摘する。本来支払われるはずの消費税が国に納められないだけでなく、持ち込まれた金が買い取り店や商社を通って海外に輸出される場合、消費免税のため国庫から消費税相当額が支出されるからだ。「今後、国が消費増税を行った場合、密輸入者の利益も増す」ともみている。

 新千歳の税関では入国時に職員がハンドスキャナーを使って旅客をチェックしていたが今後、門型の金属探知機を導入して人の流れを止めずに全員の身辺検査をする予定。

 国は抜本的な改革を目指して、現在懲役5年以下、または罰金500万円以下に定められている罰則の強化を検討している。

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