4作目の絵本出版 挿絵画家の多屋さん

紀伊民報社 地域 2017年12月6日

 和歌山県田辺市南新町出身の挿絵画家、多屋光孫さん(50)=東京都新宿区=が絵を手掛けた絵本が近く、汐文社(東京都)から出版される。絵本は4作目。「個性が出た作品になった。これからも創作を重ね、世の中にない絵本を出したい」と意気込む。

 多屋さんは多屋孫書店の多屋睦夫会長(90)の三男。書籍に囲まれた少年時代を過ごし、近くにあった絵画教室で水彩画や油絵も学んだ。東京都内の大学を卒業後、大手繊維会社に営業職で就職したが、20代後半になって絵本に興味を持ち始め、イラストを描き、展示会に出すようになった。
 2010年から「二科展」にも出品し、デザイン部門でマルチグラフィック大賞に選ばれるなどして、15年に会友になり、いまは画家として活動している。現在、日本で最も古いイラストレーターの職能団体「日本出版美術家連盟」の理事や事務局長も務める。
 4作目の絵本は、12月中旬に出版される「まさかさかさま 回文めいじん」。文は、だじゃれや早口言葉の作品を手掛ける作家、ながたみかこさん。展覧会で多屋さんの作品に注目していた同社の副編集長から「かわいいだけでなく、面白い絵本を作りたい」と声が掛かったという。
 絵本はカラー刷り65ページ。1600円(税別)で、全国の書店で取り扱われるほか、インターネットでも購入することができる。
 多屋さんの画家としての活動は、新聞や雑誌の挿絵で始まり、出版物は2012年の紙芝居「くじらやま」が最初。その後、文芸社(東京都)から出版された絵本「子盗りやまんば」と「こんにちは」の絵を手掛け、今年8月には初めて文も手掛けた絵本「よるこぞう」が鈴木出版(東京都)から出版された。
 作品は版画調で、ユニークで個性的な作風。「絵本はじっくり育てるもの。これからも創作に励み、世代を超えて引き継がれるような作品を生み出したい。絵だけでなく、文も含め、世界で注目される絵本ができればと思う」と話している。

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