富士山の清掃活動紹介 登山家野口さん講演

長野日報社 地域 2017年11月13日

 茅野市市民活動センター「ゆいわーく茅野」(茅野市塚原)で12日に開かれた、1周年記念イベント「ゆいわーく祭り2017」で、登山家野口健さんを招いた記念講演会があった。野口さんは「目標を持って生きることのすばらしさ」をテーマに話し、200人余が聞き入った。

 「登山家なのに、なぜ山登り以外の活動をしているんですか?とよく聞かれる」と野口さん。活動への思いを「山の人間ですから山が現場。現場に行くのがすごく大きい。ネットで簡単にデータを知ることができ、詳しくなった気になるが、その知識は平らで無味乾燥。現場に行くと匂い、空間の気(オーラ)があり、生々しい。平らな知識が膨らんでいき『こんなことが起きている』と、本当の意味で知る。知ると『何とかしたい』と感じ、背負って活動になる」と話した。

 富士山の清掃活動、東日本大震災や熊本地震の被災地支援活動などの苦労も紹介。清掃活動は「当初、自分の正義は社会の正義だと思っていた。だが、富士山にはいろんな立場の人たちが関わっていて、それぞれの正義、都合、利権などがある。立場が違うと捉え方が違った」などと批判も多く、戸惑いもあったという。

 地道に自分の考え方や活動をきちんと伝え、共感してもらいながら活動を続け、今年で17年。「始めてから数年は参加者100人前後。8年目頃から数千人になり、今は毎年約7000人。自主的に拾ってくれる登山者らも増え、捨てられない雰囲気ができた。山梨県側は今年度内にごみゼロ宣言を出せそう」と野口さん。さらに「環境の『環』は、人と人との『環』。行政だけでも、民間だけでも無理、人と人との環を広げて、みんなで取り組んでいく環境を築いていくのが大切」と話した。

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