危険な空き家解消へ 解体補助第1号

紀伊民報社 行政・政治 2017年10月11日

 和歌山県田辺市の補助制度を使った初の空き家解体工事が11日、同市新庄町で始まった。制度は倒壊の恐れがある危険な空き家の解消が目的。解体費について50万円を上限に3分の2を補助する。本年度は11件の補助金交付を決めている。

 2015年5月施行の「空き家対策の特別措置法」を受けた対策。今年6月に予算化した。対象は1年以上未使用で、倒壊の危険や衛生上問題がある物件。市が「不良空き家」と認定した物件を、所有者が解体する際に補助する。
 市建築課によると、今年6月30日から10月10日までに、空き家撤去に関する問い合わせが23件あった。うち、16件を「不良空き家」に認定。解体希望は13件あるが、予算額(500万円)を超えるため、2件は来年度以降に持ち越した。
 解体中の建物は、木造2階建ての住宅(67・91平方メートル)。屋根が崩れ、1階もその重みでゆがみが生じている。所有者は県外におり、10年以上空き家になっているという。
 地元区、橋谷町内会長の大木原忠司さんは(74)は「危険な空き家が気になっていた。市の補助制度はありがたい。撤去には所有者、近隣住民の話し合いが必要になる。地域の安全のため互いに協力してもらいたい」と話している。
 市建築課は「制度を設けたことで、不良空き家の掘り起こしも進んだ。今後、相続などで空き家が問題になる事例が増えるはず。補助制度を有効に活用してもらいたい」と話している。
 周囲に迷惑をかけているとして、市が所有者に対処を求めても対応がない物件は、特措法の規定で「特定空き家」に認定する。
 特定空き家は「勧告」を受けると、固定資産税の軽減措置が除外され、最大6倍になる。さらに「命令」の措置があり、違反すると50万円以下の過料の罰則がある。最終的には行政代執行で解体し、費用を所有者に請求する。

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