庄内を舞台「おくりびと」日本アカデミー賞“10冠”獲得

荘内日報社 地域 2009年2月21日

吉報にわくロケ関係者 米の「外国語映画賞」は22日発表

 庄内地方を舞台にした映画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)が20日、東京都内のホテルで発表・授賞式が行われた第32回日本アカデミー賞で、最優秀作品賞をはじめ10部門で最優秀賞を獲得した。映画界最大の祭典・第81回米アカデミー賞「外国語映画賞」にもノミネートされており、22日(日本時間23日)の発表が待たれる。
 「おくりびと」は、チェロ奏者への道をあきらめ古里・山形に帰郷した本木雅弘さん演じる小林大悟が、遺体をひつぎに納める「納棺師」になる物語。広末涼子さん<RUBY CHAR="扮","ふん">する妻の美香に隠しながら庄内の地を駆け回り、次第に納棺師という仕事に誇りを持つようになっていく。身近にいるかけがえのない人々の生と死を通し、すべての人に普遍的な、夫婦の愛、家族への思いなどを描いた。脚本は、東北芸術工科大学(山形市)に今春、新設される企画構想学科の学科長に就任する小山薫堂さんが担当した。
 庄内地方では2007年冬に雪景色の撮影をした後、同年春から滝田監督らスタッフ、本木さん、広末さんらキャストが訪れクランクイン。酒田市の日吉町や船場町、遊佐町の月光川河川敷、庄内町のJR余目駅、鶴岡市の「鶴乃湯」などで計約40日間にわたって撮影が行われた。
 日本アカデミー賞で「おくりびと」は、13部門にノミネート。最優秀作品賞をはじめ、滝田監督が監督賞、本木さんが主演男優賞、納棺業「NKエージェント」社長・佐々木生栄役の山崎努さんが助演男優賞、同社事務員・上村百合子役の余貴美子さんが助演女優賞、小山さんが脚本賞でそれぞれ最優秀を獲得。撮影、照明、録音、編集の各賞も制した。
 映画「おくりびと」の庄内ロケに全面協力したNPO法人「酒田ロケーションボックス」(萩原吉郎理事長)のメンバーたちは同日、吉報を受け酒田市内の飲食店で祝杯を挙げた。
 同法人は、撮影地に関する情報提供やエキストラの手配などで協力。この日は、同法人の佐藤英俊副理事長、酒田観光物産協会の荒生満常務が授賞式に招待されて会場入り。同市中町二丁目の飲食店・浪漫亭にはほかのメンバーや一般市民約20人が集まり、佐藤副理事長、荒生常務から届く電子メールでの速報を見守った。
 同店内は、メール音が響き渡るたびに「山崎さん、とりました」「滝田監督、おめでとう」などと大歓声。最後に最優秀作品賞受賞のメールを受け取ると、用意したくす玉が割られ、メンバーが何度も祝杯を挙げるなど喜びを分かち合っていた。
 同法人理事の石寺健一さんは「うれしいの一言。今後、100年も残る作品に携わることができ光栄。スクリーンで見て、酒田は良い街だなとあらためて思った。酒田の街が元気になるきっかけになれば」、事務局長の市村浩一さんは「今後さらに酒田を売り出していくとともに、(ロケ地の1つとなった)割烹・小幡の建物を保存・活用する会を立ち上げたい」とそれぞれ話していた。

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