高遠の桜を復興の象徴に 伊那市が気仙沼市へ発送

長野日報社 行政・政治 2017年5月17日

 伊那市は16日、「門外不出」とされる同市高遠町産のタカトオコヒガンザクラ2本と、シダレザクラ40本の計42本の苗木を宮城県気仙沼市立病院に発送した。東日本大震災の復興支援で伊那市が気仙沼市に職員を派遣した縁で寄贈。11月に完成予定の新病院に植栽するもので、「高遠の桜」が復興のシンボルとして東北の地で花を咲かせる。

 震災による津波とその後の火災で大きな被害を受けた気仙沼市に、伊那市は2012年4月から16年3月まで職員を派遣した。今回、14年3月から2年間にわたり気仙沼市立病院に派遣された北原浩一さん(56)が桜の寄贈を提案。伊那市はふるさと納税を活用して事業化した。

 気仙沼市内を流れる大川沿いの桜並木は津波にも耐えたが、河川堤防整備などで一部を除き伐採されるという。市民は心を痛めていることから同事業は「気仙沼さくら復活プロジェクト」と名付けて、高台で整備が進む市立病院の景観整備を桜の植栽で協力することになった。

 贈る桜は市所有で5人の桜守が管理した樹齢7年のタカトオコヒガンザクラと、同市高遠町藤澤の守屋源一さん(89)が育てた樹齢6年のシダレザクラ。この日、伊那市役所で開かれた出発式には、北原さん、守屋さんも出席し、苗木を満載して気仙沼市に向かうトラックを見送った。

 北原さんは「気仙沼の皆さんにとっても、春を実感するのは満開の桜。大きく育ち、市民の癒やしにつながれば」と期待。守屋さんは「震災から早く復興してもらいたい。これをきっかけに(伊那と気仙沼の)友好関係が深まれば」と目を細めた。

 気仙沼市立病院での植栽作業は18日に着手。24日には植樹式を開き、伊那市から北原さん、守屋さん、白鳥孝市長、市振興公社の桜守西村一樹さん(35)が出席する。

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