津波から命を守るために 児童向け「酒田っ子防災学びノート」完成

荘内日報社 教育 2017年2月13日

公益大ゼミ生 2年かけ制作

 広く酒田市内の児童から津波発生時の対処法を学んでもらおうと、東北公益文科大の武田真理子教授のゼミ生が2カ年がかりで制作を進めてきた冊子「酒田っ子防災学びノート―津波から命を守るために」がこのほど完成した。漢字にルビを振ったり、イラストを多用するなど児童が理解できるよう工夫が施された力作。冊子の贈呈式が10日、市庁舎で行われ、武田教授とゼミ生6人が「津波から身を守るために役立ててください」と述べ、矢口明子副市長に200部を手渡した。

 「誰もが安心して暮らせる福祉まちづくり」をテーマに学びを深めてきた武田教授のゼミに所属する4年生8人は、福祉まちづくり推進のきっかけにしてもらおうと3年次の2015年春から冊子制作に着手した。同年9月には2泊3日の日程で、岩手県釜石市など東日本大震災の被災地を訪問、学校・NPO法人関係者を対象に津波発生時の対応などをヒアリング調査した。

 この時の調査などを基に制作した冊子は、A5判で9ページ。▽学ぼう▽確認しよう▽考えよう―の3章で構成し、このうち最もページを割いた「確認しよう」では、▽近所の人にあいさつをしている▽逃げる場所を知っている▽一緒に逃げる人を決めている―など6つのチェック項目で、津波への備えができているかどうかを確認できるほか、避難場所を書き込む欄を設けたり、非常持ち出し袋に入れるものなどを記載している。

 制作に当たった学生の一人、松本一太さん(22)は「難しい言い回しを避けて小学3、4年生が理解できるように制作した。学生自ら描いたもの、酒田のマスコットキャラクター『あののん』『もしぇのん』などイラストを多用し、分かりやすくしているのが特徴」と話す。

 この日は武田教授とゼミ生6人が市庁舎を訪問。大石薫教育部長らが見守る中、松本さんが「児童の意識付けに役立ててください」、同じく学生の一人、玉山佳奈さん(22)が「防災教育で学んだことを児童が家庭に持ち帰り、広めてもらえたら」と話し、矢口副市長に冊子を手渡した。

 矢口副市長は「大切に活用させてもらう」とお礼を述べた上で、「冊子制作で学んだことを後輩に引き継いでほしい」と語った。市教委と公益大は、学生が小・中学生を対象に「公益」に関する授業を展開する「公益キッズプロジェクト」での冊子活用などを検討している。

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