諏訪市は3日、諏訪湖で来年7月から「水陸両用バス」が営業運行される見通しになったと発表した。市や市観光協会が新たな観光の目玉として昨年と今年、実験運行を行った結果、好評だったことから、大阪などで水陸両用バスを運行する日本水陸観光(大阪市)が諏訪湖への導入を決めた。国内での営業運行は今月から始める沖縄を含めて4カ所目になるという。
水陸両用バスは、タイヤとスクリューを備え、陸上と水上を乗り換えなしで行き来できるのが特徴だ。昨年5月に大阪で初めて営業運行され、同7月から栃木県の湯西川ダムに導入された。山田勝文市長がこれに着目し、諏訪湖での可能性を探るため「観光活性化実験」という形で昨年11月に実験運行を実施。今年も10月に運行された。
当初バスは国内に1台しかなく、約1億円とされる購入費用や事業化する場合の受け皿も課題だった。来年度以降の方向について検討していたところ、日本水陸観光から諏訪湖で運行したいという提案があり、「行政では無理。民間でやってもらうのがいい」(山田市長)と思惑が一致。実現の運びとなった。
諏訪市役所で会見した須知裕曠社長によると、諏訪湖に導入する車両は新たに製造する予定。定員42人(乗員2人を含む)。料金は今後検討するが、既に運行する湯西川ダムと同程度の3500円前後(大人)を想定し、結氷する時期を除いて通年で運行していきたい考えだ。
バスは須知社長自身が設立した大阪の会社から借り、水上はNPO日本水陸両用車協会(東京)、陸上は地元のバス会社に運行を委託。現行法には水陸両用車の規定がないため「車両と船舶の線引きを明確にする必要がある」(須知社長)として、水上と陸上で運転手を交代させる。
須知社長は「諏訪湖には中部、北陸、首都圏から多くの観光客が訪れる。営業は成り立つ」と説明。既存の遊覧船との競合については「新たな客を開拓でき、相乗効果が期待できる。観光活性化の役に立てる」と強調した。
山田市長も「2回にわたって実験し、手応えを感じた。諏訪の観光のイメージが上がる。非常に期待している」と述べた。市や市観光協会は来年一月、関係団体による「水陸両用バス導入協議会」(仮称)を設立し、受け入れ態勢やコース、料金などの課題について協議を進める。